夕蜘蛛追って

インディーズゲーム中心にプレイ感想やらくがき

【Time on Frog Island】プレイ感想◆癒しを求めカエルの島を歩く

スローなゲームが好きです。

 

スローライフゲーの皮を被った
農奴兼パシリ兼炭鉱夫兼冒険者みたいな効率第一過重労働ゲーではなく
(そういったジャンルも全然嫌いじゃないですが)、
異国の街をゆっくり歩き回ったり、高い丘の上から景色を見渡したり、
夜の森で虫の声に耳を傾けたりできるような、
そんな要素のあるゲームをいつも探しています。

 

こちらのゲームはそんな要素がたくさんありそうで発売前から気になっており、
レビューなどはあまり事前にチェックせず購入しました。

 

 

船の難破によりカエルたちの暮らす島に漂着してしまった主人公。
船の修理と旅の再開を目指して、カエルたちと交流(主に物々交換)しながら
島中を探検していくことになります。

 

時間や天候で表情を変える美しい自然、
友好的なカエルたちの穏やかな生活の中を歩くだけで楽しく、

意味もなくジャンプしてみたり海の深さを確かめてみたりしたくなる

穏やかな雰囲気のこの島がすぐに好きになりました。

 

特に町の区画では、建物や装飾などにカエル文化

(というか開発元のカエルへのこだわり)を強く感じられテンションが上がりました。

 

カエルの足やハスの葉をあしらったステンドグラス、

ラッパを吹くカエルのオブジェ、

目を凝らすと敷物や壁の剥がれにまでカエルが見えてきます。

 

カエルが住む家も、カエルたちの個性に合ったデザインがなされています。

卵をくり抜いて絵の具をぶちまけたような絵描きカエルの家。

農夫カエルの家は果物や野菜畑に囲まれ、葉っぱの傘を差している。

人間(主人公)の家とカエルの家で玄関マットの足跡マークが違うとか

とにかく随所に発見があって楽しいのです。

左が主人公の家の玄関マット

…と、雰囲気はめちゃくちゃ大好き100点満点なのですが、

ゲームの本筋(船を修理して島から出る)はかなーり薄めでした。

 

多くのレビューでも指摘されているようですが、ボリュームが少ない。

無駄に駆け回った自分の場合でエンディングまで5~6時間。

普通にプレイすると2~3時間でクリアのようです。

 

カエルたちが欲しがるアイテムを島内で見つけ持ち帰り、

代わりのアイテムやコインを貰う。

この物々交換を繰り返すうちに船の修理資材が揃い、島を出てEND。

ほぼ終始おつかいおつかいで寄り道要素は少なめです。

 

カエルたちとは言葉が通じないのでアイコンで指示されるだけということも

淡泊に感じてしまう一因かもしれません。

細部の作り込みにはものすごいこだわりが感じられるのですが
力の入れどころを間違えている気もします。

 

意味深な古代遺跡やワープ装置など、何かありそうで特に何もない
(実績コンプしていないので見つけられなかっただけかも)
オブジェクトもあり、多少の消化不良感は感じました。

商人のお店で売っていた、壺っぽくも隕石っぽくもある物体。
最後まで何なのかわからないままでした。

個人的にはせめてもう一要素欲しかった、

というかカエルたちともっと仲良くなりたかったです。

 

庭に埋めて増やせるコインや、クエストに関係のないアイテムの数々。

それらをカエルたちとの交流に活用できれば良かったなあ。

カエルごとに好きなアイテムが違ってプレゼントをすると

特別な反応が見られるとか、コインを貢ぐと家の中に入れるようになるとか。

 

エストを完了すればカエルたちとの関係性は終わり!というのが、

単なる一時滞在者のよそ者感があり少々寂しいプレイ後感でした。

 

とはいえ、ボリュームこそ少ないものの

スローゲー(スロゲーではない)欲にはど真ん中ストライクの良い世界でした。

 

ゲームに疲れた時に起動したくなるゲーム。

またいつか気が向いた時に島を散歩したいと思います。

 

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ハード:Nintendo Switch
プレイ時期:2022年7月中旬
プレイ時間:10~15時間
好き度:★7.2/10
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